のんびり山歩き・霊仙山とミスミソウ
デジカメ山野草トレッキング
霊仙山
りょうぜんさん1084m

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左からユキワリソウ(ミスミソウ)、ミヤマカタバミ、右はオニシバリ(ナツボウズ)

左からシロモジ(クスノキ科)、ユリワサビ、フキノトウ
山名 霊仙山
標高 1084m
所在地 滋賀県鈴鹿山系
登山日 2003年4月6日
天気 曇り後晴れ
メンバー 7名 混成サンモー
コースタイム
07:00 榑ヶ畑
07:25 汗フキ峠
08:00 見晴台
09:00 お猿岩
09:20 お虎ヶ池
09:55 経塚山(北霊仙)
10:20 霊仙山頂/11:05
11:50 お虎ヶ池
12:20 見晴台
14:00 榑ヶ畑

霊仙山域マップ クリック拡大表示
  
左から霊仙山腹、霊仙山頂から琵琶湖を望む、北霊仙。クリック拡大表示
はじめに 四本爪アイゼンの効用
最近鈴鹿で、私の知人が二人怪我をしている。原因はスリップにあるようです。
私たち夫婦の山歩き必携品に四本爪アイゼンがあります。1,500円程度なので、使い捨ての気持ちで、いつもザックに入れてあります。先日の坂本谷下りで破損したので、また買ってきました。雪に使うだけではなく、ぬかるんだ下り道に常用しています。歳と共に反射神経が鈍り、バランス感覚が落ちてきたので、転ばぬ先の杖。高価な6本、8本爪では躊躇しますが、安価な4本爪なら、滑り止めの安全対策に有効です。特に鈴鹿の沢筋は崩れやすく、雨後は危険なので、下りには気をつけましょう。

醒ヶ井養鱒場から悪路になるが、石田さんの四駆で難なく 榑ヶ畑の駐車場に着いた。準備を終えて出発したときは丁度7時だった。

快晴になるはずの空には雲が厚く垂れ込めている。
まだ建てて間がない真新しい休憩所の後から登山道は延びている。小さな沢沿いの緩やかな道は、所々で清流をピチャピチャと靴底を洗わせながら暗い樹林帯を登っている。40年前に廃村となった遺構は、苔むした石垣だけが過去を物語り、朝の冷たい空気が静かによどんでいる。廃村を抜ける個所に山小屋カナヤがあり、沢の水を利用して飲み物が冷やしてある。缶ビール350円。まだ無人だが、セルフサービスで、立てられた竹筒にお金を入れるようになっている。

この沢をまたいで山腹のジグザグの道を登っていく。この山にはまだ春の訪れは遠いようで、花は少なく、見かけるミヤマカタバミも釣鐘状に頭を垂れている。今回の参加者は都合7人。初参加の和田さんは花が大好きな津島の女性で、庭で育てる花だけでは者足らず、最近は低山を歩いていると言う。幸さんの情報通り、汗フキ峠を過ぎた辺りから小さな白いミスミソウが顔を出し始めた。昨日の雨に打たれて、まだ顔のツヤがない。それでもと撮影隊はかがみ込んでシャッターを切る。今日の予定はピストンに変更したため、帰路にまた撮影することにして歩き始める。勾配がきつくなり、明るい雑木林の中を歩く。時々雲の間から日射しが山肌を照らす。内田さんがカメラを構えている。マンサクの花かと思ったら違っていた。後で調べたらシロモジの花だったが、マンサクよりは絵になりやすい。

丁度一時間で見晴台に出たが、雲は厚く展望もきかない。風が強く寒いので、そこそこにして再び歩き始める。道がぬかるんでいる。靴の底に粘土質の団子ができて重い。石灰岩が露出し始め、さらに勾配はきつくなる。帰路は滑りやすいので苦労するだろう。右手の稜線がなだらかに大きな山容を見せている。霊仙である。あたりが笹原に覆われるようになると、霊仙の大らかな山並みが全容を現す。お猿岩を過ぎて程なくお虎ヶ池に着く。小さな池には薄氷が張っている。鳥居を囲んで記念写真を撮り、再び歩く。

道はグチャグチャ。カレンフェルトが散在する尾根筋を経塚山(北霊仙)から時計回りで、忠実にぐるりと回り込んでヒトコギすると霊仙山頂にたどり着く。北西の風は強い。山頂の南側にフクジュソウが咲いているが、藤原岳天狗岩稜線のそれと比較すると小さい。この山域は例年に比して雪が少ないそうである。山肌に影を落とす雲の流れは速く、立ち尽くして景色を眺めるほど、今日の霊仙は穏やかではない。南東面の石灰岩を盾にして、それぞれが昼食の陣。

小一時間の休憩の後、往路を忠実に引き返すことにする。最高点まで行くつもりだったが、今年はまだ笹道が整備されていず、ヤブ漕ぎしてもヒロハノアマナの時期には早すぎるので、皆さんの意見を尊重してただただ下った。滑りやすい粘土質の笹藪道を慎重に下り、帰路には日溜まりとなった見晴台で一休みした後、撮影モードに切り替え、のんびり下山。

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