のんびり山歩き・長ノ山湿原と鞍掛山の千枚田
デジカメ山野草トレッキング
長ノ山湿原と鞍掛山の千枚田

三河・作手村 つくでむら


湿原周辺の花 
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ハナショウブ、アザミ、ウツボグサ、ニガナ、新芽
山名 長ノ山湿原
鞍掛山麓の千枚田
標高  
所在地 愛知県
登山日 2003年7月5日
天気 曇り時々晴
メンバー 夫婦
コースタイム
私の名前の湿原をインターネットで見つけた。この時期は安定した天気が望めないので、湿原を訪ねて植物観察をするのも楽しいのではと出かけてみた。作手村は三河のど真ん中、山の中にある。早朝の豊田を抜けて、山間のドライブは2時間近くを要したが、ナビのおかげで迷うことなく到着できた。入口近くの道路沿いには駐車場が設けられている。
生まれて間もない子牛が二頭。親牛が私たちを警戒する目で眺めている。そんな農家の横道を過ぎると、長ノ山湿原の案内標識が立ててある。湿原は杭とロープで囲われ、散策できるような板道は設備されていないので、仕切られたロープの外から伺うだけだ。湿原を二分する直線の道をたどりながら見渡すが、時期を過ぎたハナショウブ以外には咲く花は認められない。突き当たりのヒノキ林に入ると、左上の写真のように静寂の森が広がっている。美林である。ここを抜けて林道を左に曲がり、林間をたどると再び湿原の端に出た。梅雨時も重なって足元は悪く、脇道の踏み跡をたどると泥沼の様相で、ずぶずぶっと埋まる。まさしく湿原である。そんなヤブ道で、紫美人のハナショウブとウツボグサに出会った。帰り道で農家の主にたずねてみたが、花には無関心の様子で、サギソウがテレビで紹介されたら、ワンサカ、カメラマンが集まったそうだ。

収穫が少なすぎるので、鞍掛山まで足を延ばすことにする。この山麓には千枚田がある。鞍掛山の斜面を利用して、谷合に段々畑が作られている。田植えを終えた幾何学模様が緑に映えている。のどかな山間風景にも思えるが、村人の苦労の歴史が偲ばれる。撮影ポイントが見つからず、時間を費やしたが、右岸沿いの細い側道を登り、茶畑の上から右の写真の場所に行き着けた。工業立県愛知にも、このような農業の姿が見られることに、なぜかホッとする。苦労することも多いが、与えられた自然の中で、自然と共生する構図がうらやましく思える。人の幸福を求めて進化し続ける文明を考え直してみると、単に快楽を求めて堕落していく日本人が見えてくる。私も同類だが・・・。

農家の周りは花が多い。ここではまだアジサイが多く、庭先には色とりどりの花が咲いている。鞍掛山の登山口にたどり着いたが、往復4時間はこれからの行程ではきつい。あっさりあきらめて、今日は帰路につくこととする。

千枚田周辺で見かけた花。
ツユクサ、ホタルブクロ、ヒメヒオウギズイセン、オオバジャノヒゲ。

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