のんびり山歩き・鈴鹿、鎌ヶ岳と長石谷【デジカメ山野草トレッキング】
鎌ヶ岳
1161m 鈴鹿

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ほのかに雪化粧した朝日に輝く鈴鹿連峰

鈴鹿連峰・御在所岳・鎌ヶ岳
おそらく富士山でしょう。左隣は赤石岳では?

左/鎌ヶ岳登路より御岳、乗鞍岳、北アルプスを望む。右/鎌ヶ岳山頂より南アルプスを望む。
富士山と書かれたものは同定ミスで、右から聖岳、赤石岳、荒川三山(悪沢岳)
新雪の鎌ヶ岳周辺風景

長石谷の流れ

山名 鎌ヶ岳
標高 1161m
所在地 三重県鈴鹿
登山日 2003年11月23日
天気 快晴
メンバー 4人
コースタイム
07:40 武平峠駐車場
07:50 武平峠
08:55 鎌ヶ岳山頂/09:20
10:00 長石谷昼食/11:10
13:10 一ノ谷茶屋駐車場
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 日向ぼっこ
 暖かい雪模様
 冷たい雪模様
夜明け前の名古屋を東名阪に入ると、西の空には鈴鹿の山並みがかすかにその存在を浮かばせている。徐々に空は明るくなり、四日市インターを降りて菰野町に入る頃には朝日が稜線を照らし始めた。見晴らしのいい場所に車を停めて撮った写真が最上段に掲げてある。頂上付近は新雪をまとい、輝いている。今日の山歩きが楽しみだ。
私の車には内田さんと妻が乗っている。石田さんの携帯に電話したが通じない。単独で武平峠に向かっているはずなので、待ち合わせ場所を一ノ谷茶屋にして、一台をデポして、周回ルートの林道歩きをカットしようとしたが、連絡できない。仕方ないので下見のために、湯の山温泉経由で長石谷出会いを調べがてら一ノ谷茶屋へ向かったが、スカイライン合流地点がガードレールで塞がれている。ナビでは道路がつながっているのに・・・。
朝からついていないことをブツブツ言いながら引き返して大きく回り込む。時間が遅れることを考えていたら、石田さんから連絡が入った。武平峠は携帯が通じないので、下りながら連絡していたとのこと。一ノ谷茶屋駐車場で待ち合わせ、武平峠駐車場へ向かった。トンネル手前は相変わらず工事中で、片側通行になっている。私たちは滋賀県側の登り口駐車場に停めた。(上の写真/登路から見る雨乞岳)

摂氏5度。冬用のアンダーウエアを着込んだせいか、寒さを感じない。武平峠までの急登は10分程度で、十字路を右に折れると、更に笹藪の急登が続く。笹の葉を被う雪の模様が美しい。今年初めて身近に見る雪は新鮮で、今日の山行は宝くじに当たった気分である。背の低い樹林帯の間から、白い鎌ヶ岳が望まれる。振り返れば雨乞岳から御在所の稜線が初冬の姿を見せる。小さなアップダウンを繰り返して痩せた岩稜上に出ると、四日市のコンビナートから伊勢湾まで眺望が広がる。独立峰の御岳がデンと腰を据え、その両隣に乗鞍岳、北アルプスの山々と、中央アルプスがうかがえる。ここからは岩石帯をたどる。ザレた尾根筋の鞍部に三ツ口谷からのルートを合わせ、最後の登りにかかる。岩肌に雪がついているので慎重に登る。危険な個所には鎖、ロープが固定されているので心配はないが、一個所だけ腕力でロープを頼らなければ登れない場所がある。チムニー状の岩場を登ると、あっけなく鎌ヶ岳の山頂に出た。霧氷に飾られた一級品の眺めが展開されている。御在所方面に湧いていた雲も今はなく、360度のパノラマは圧巻である。

御岳から東に目を移すと、中央アルプスの山並みから恵那山がうかがわれ、南アルプスはほとんど雲海に包まれているが、伊勢湾越しのはるか東方に富士山らしき影が見える。「まさか論議」が続いたが、とりあえずは写真判定に任せることとして記念写真を撮り、滋賀県側から吹き上げる寒い山頂を後に南下する。祠に手を合わせ、鈴鹿南部の仙ヶ岳や台高の山々が見渡せる断崖を左から巻き込み、激下りすると岳峠に着く。

そのまま尾根をたどれば入道ヶ岳。左の写真は鎌尾根越しの仙ヶ岳双耳峰である。(クリック拡大表示)。道標はないが、左のヤブを沢目がけて下る。これが長石谷で、鎌ヶ岳山域で最も長い沢筋を下ることになる。風もなく穏やかな谷間で、迷うこともない。小春日和の日射しが入り込み、暖かい。20分も下ると、やっとせせらぎの音が聞こえるようになる。長い沢筋は勾配も緩慢に、全ての葉を落とした広葉樹林の中を、右へ左へ蛇行しながら下っていく。今日は時間もたっぷりあるので、日溜まりの昼食場所を探しながら下る。風もない日溜まりを左岸斜面に見つけて枯葉帯をヒトコギし、昼食場所を作った。店開きした途端に、内田さんのカップヌードルが転がった。落ち葉の斜面をドンドン下っていく。石田さんが追っかける。笑いの渦がこだまする。珍しく、アルコールを持参しなかったのに、持ってくる誰かがいる。早速ストーブで熱燗をする。食べ過ぎて、飲み過ぎて、平和な昼食時は一時間を超えた。まるでピクニック気分。
左の写真は雲母峰(きららみね)。
ここから一ノ谷茶屋まで、二時間を要した。というのも、谷のせせらぎや滝の造形が趣深いので、全員撮影モードと化したのである。三脚持参の私は、長時間露光に余念無く、ついついどん尻を歩いてしまった。秋の一日は短いが、早立ちと余裕のルートで、午後一時過ぎには登山口にたどり着いた。駐車場は超満杯。溢れた車がスカイライン沿いにビッシリ。早めに下りるが勝ちの状況である。


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