八ヶ岳の横岳から赤岳へ ウルップソウ・コマクサ・ツクモグサ・チョウノスケソウ デジカメ山野草トレッキング
横岳から赤岳
南八ヶ岳 赤岳2899m


霧煙る横岳岩峰群 写真クリック拡大表示
霧の中の妖精たち【横岳稜線の花々】

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秘密の花園にはウルップソウ、ハクサンイチゲの他に、オヤマノエンドウ、チョウノスケソウや
花後のツクモグサまで写っています。珍しく高山植物の混在したポイントです。


ハクサンイチゲとウルップソウ


今回の山行目的だったチョウノスケソウ・ツクモグサ・クロユリ


ミヤマシオガマ・コマクサ・イワベンケイ・キバナシャクナゲ


イワヒゲ・ミヤマオダマキ・イワカガミ・イワウメ

オサバグサ・ズダヤクシュ・クルマバツクバネソウ・同定調査中

ミヤマダイコンソウ・オヤマノエンドウ・ヤマガラシ


山名 赤岳 南八ヶ岳縦走
標高 2899m
所在地 長野・山梨県境
登山日 2004年6月26.27日
天気 曇り時々小雨
メンバー TEIHAI3名
コースタイム
第1日
10:15 美濃戸駐車場
13:00 赤岳鉱泉/13:35
15:05 赤沢の頭
15:50 硫黄岳山頂
16:10 硫黄岳山荘
第2日
06:40 硫黄岳山荘出発
08:00 横岳山頂
10:30 赤岳頂上小屋
10:42 赤岳山頂
12:10 行者小屋/12:45
15:15 美濃戸駐車場
撮影時間を入れたタイムです。参考にしないことをお願いします。

同行者のサイト
だめちゃん Day Trecker 
あるぼぼさん 伊吹百歩き
諏訪の地酒、舞姫の振舞酒に酔いしれて昨夜は早くから曝睡。二時過ぎに目覚めたら、もう眠れない。早く朝になることを祈りつつ悶々。空が白みかけたのが四時を過ぎた頃。一面の霧で何も見えない。トイレを済ませて外へ出る。寒さを感じない。温度計は摂氏8度。
5時半の朝食は豪華すぎる。トースト半切れとコーヒーの習慣が染みついた私には、手の付けようがない。迷い箸で考えながらお腹に詰め込む。昨夜の暴飲暴食のたたりが来ようとは・・・。

出発準備を終え、出かける前にもう一度、小屋の主の丹精こめたお花畑を一周した。時々明るくなる空を眺めてお天気祈願してからいざ出発。横岳への登り道は初夏の花々に覆われている。オヤマノエンドウ、ハクサンイチゲ、ミヤマシオガマ、チョウノスケソウ、ウルップソウ、コマクサなどなど。コマクサはこれからでまだ若い。ウルップソウは真っ盛りで、来週には下り坂か。チョウノスケソウも花弁に傷みがあるものが多い。切り立った西側岩壁にお花畑は広がっている。谷底を見下ろして二人がしゃべっている。どうもツクモグサを見つけたようだ。岩壁にへばりついて咲いているようだ。目の悪い私には同定できないが、手前の岩場を下りて岩伝いに近づいてみたら確かにツクモグサが二輪咲いている。ちょっと時期は遅いが、写真に収めることにする。吹き上げる風が強く花は折れんばかりに揺れ動く。シャッターを1/500まで上げる。何とか止まっていて欲しいものだ。順番に撮影を終え、再び歩き始める。お腹の調子が悪い。生ゲップを繰り返すうちに吐き気を催し出す始末。それでも我慢し、歩調を合わせて後から歩いていく。岩陰に隠れて吐こうとしても、出てくるのは胃酸交じりの酸っぱい胃汁。この姿を見つけただめちゃん。「何を撮っているの?」。
横岳を過ぎ、地蔵の頭の中間点で小休止をとり、胃薬を飲むことにした。赤岳をパスして地蔵の頭から行者小屋へ下ることも頭に浮かんだが、初めてのさるぼぼさんには八ヶ岳の盟主、赤岳は登らせたい。そんなことを考えながら歩いているうち、薬の効果が出てきたのか、体調も回復してきたようだ。後を振り返ると、一瞬、横岳の岩峰群を覆っていたガスが切れ、日射しが射し込んだ。トップの写真がその時のもので、見事なアルペン的風景である。こんな自然の変化が私たちを山の虜にするのだろう。

予定通り稜線を南下し、展望荘から最後の登りとなる。途端に花は姿を消し、ハイマツの岩稜をよじる。慰めてくれる自然の恵みはないが、高村光太郎の道程を思い起こす。好きな詩だった。東京をベースに初めて登った山が八ヶ岳だった。寮友と二人で稲子湯から夏沢峠を南下して稜線伝いに編笠山、小淵沢まで歩いた記憶が断片的に思い出される。二月の厳冬期に、行者小屋をベースに阿弥陀岳をアタックしたこともあった。そんなことを思い出しながら、阿弥陀岳経由で美濃戸へ下ることも考えたが、花の写真撮影に時間を費やし過ぎた。頂上小屋はあっけなく目の前に現れた。ここで小休止の後、山頂を踏み、直下の岩場から右の阿弥陀岳方面に折れ、鎖場をトラバース気味に下る。昼食は行者小屋と決めたので、あとはひたすら下るだけ。中岳とのコルから文三郎ルートに入る。ザレがひどく足場が流れる。足を取られないように慎重に歩を進める。バランス感覚の落ちた身体ではあるが、まだまだ捨てたものではない。樹林帯の中に行者小屋が目に入った。

行者小屋で昼食を食べ、ゆっくりしてから南沢経由で美濃戸へ戻った。雨に降られることもなく、と思った矢先に土砂降りに見舞われ、沢は一気に増水したが、渡渉個所は全て丸木橋が整備されており、程なく駐車場にたどり着けた。

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