森の健康診断 土岐川、庄内川源流の人工林

夕立山森林塾の間伐実習

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夕立山の林道から眺められた中央アルプス連峰と恵那山。早咲きのアセビが陽を浴びていた。


2007年3月18日
 恵那市三郷町野井
 快晴だが冬型の寒い1日
 主催NPO夕立山森林塾

バイオマス長山私案
夕立山北側人工林にて

朝8時半、中部大学恵那キャンパスに着いたときには、すでに全員集合して車に乗りかけていた。丹羽さんを見つけ、彼の車を追うことにした。夕立山森林塾講師、地元林業関係者、市民塾生合わせて約30人が、植林帯に入り、間伐の実技を行う。


ハードな作業を実施するため、事前のストレッチで身体をほぐす。


道具の点検と説明、伐倒の注意点について、講師から説明を受ける。


チェーンソーの安全な使い方を学ぶ。塾生は緊張気味。


伐倒する木を選び、伐倒方向を決めてから、ワンタッチの梯子を使って木に登り、ロープを縛る。倒す方角は、斜面に対して直角(横方向)両側で、それぞれ30度の範囲内が理想。障害物がないことを確認して決める。


伐倒方向の木に滑車をつけてロープを回し、安全区域側の木にワイヤージャッキを固定して操作する。後述しますが、チェーンソーで木を輪切りにするのではなく、両側から切り込みを入れ、ツルを残してジャッキで倒すことになります。


受け口は伐倒側で、まず水平に、木の直径の1/3の深さまで切り込む。次いで伐倒方向を確認してから斜めの角度30〜45度で、切り込む。受け口の開口部に、上の写真のように木の枝やT字金具を使って伐倒方向に向いていることを確認します。


次はいよいよ伐倒に入ります。受け口の反対側(追い口)を切り込みます。木の直径の1/3が受け口。2/3が追い口に残りますが、直径の1割を残すように追い口側から切り込みます。完全には切り込まないので、木は倒れません。切り込まない帯の部分を「ツル」といいます。あとは、安全な場所に避難して、ジャッキでロープを引き、木を倒します。

チェーンソーのガソリン補給を忘れないこと。伐倒作業中のガス欠には用心して下さい。補給するときは、ガソリンとオイルを同じように満タンにして下さい。刃の潤滑用オイルが先に切れると、刃が熱で損傷する危険があります。

伐倒する木はかなり重いので、充分注意して作業したいものです。一般的に木の重量は次のように計算します。
木の体積×比重=重量
例えば直径20cm、高さ20mのヒノキとすると
面積(πr二乗)×高さ×比重0.8
502Kgの重量になります。この重さで倒れ掛かってきたら大変ですね。

この一帯は戦後、早いころに植林されたものでしょう。49年経っているそうです。枝打ちされた形跡はありますが間伐はされず、木の直径は15〜25cmと均等には育っていません。下草も少なく、皆伐対象と見受けられます。これらの森を蘇らせるためには、市民の意識だけでは早期の効果は望めません。国、行政に加え、民間企業の持続可能な社会づくりへの意識と理解が欠かせないものと考えます。

地球温暖化のCO2削減には、炭酸ガスを吸収する森の再生が急務です。


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