やさしいSWOT分析と経営戦略スキル

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甘すぎる自社分析
顧問先で痛感することは、自社分析が甘いことです。永年のコンサルティング体験ではほぼ全社で言えることです。現状分析は健康診断と同じで、毎年、年度変わりの経営計画、経営戦略策定前に実施したいものです。主な分析手法は下記の通りです。
1.ABC分析 顧客分析、製商品分析。売上、粗利、占有率データ集計でABC分類
2.PPM分析 製商品成長度分析。問題児→花形→金のなる木→負け犬
3.SWOT分析 外部環境と内部環境のクロス分析により戦略方針を決める
4.BSC分析 経営資源バランス分析。人材→業務→顧客→財務のボトルネック問題解決

現状分析から戦略は浮上する
経営環境の時代推移

戦後の日本は20世紀末のバブル崩壊まで、営々と高度成長を続けてきました。バブル崩壊ショックで目覚めた市場は、右肩上がりの消費より、ライフスタイルの価値を見極めるようになりました。モノづくりは大量生産から、人の多様性に合わせて少量多品種に変わってきました。
市場は充足感から成熟期を迎え、供給過多が価格破壊を起こし、強弱二極化が進んでいます。強い大企業と弱い中小企業の構図。これからの時代に勝つ企業は、マーケティング戦略に長けた企業です。このサイトでは大切な経営戦略スキルをお伝えします。

◆やさしいSWOT分析SWOTとは、Strength(強み), Weakness(弱み), Opportunity(機会), Threat(脅威) の頭文字を組み合わせた短縮語。経営戦略を検討するときは自社の内部環境と自社を取り巻く外部環境を正しく分析することが大切です。企業の強み、弱み、機会、脅威の総合的な評価をSWOT分析と言い、クロス分析で戦略戦術の結果を出すようにしてください。
内部環境 strength 強み 小さいことでも徹底的に掘り起こす
weakness 弱み 問題発見の原点だから遠慮せず出す
外部環境 opportunity 機会 顧客、競合情報収集は戦略の基本
threat 脅威 リスク管理の基本は危険を避ける

SWOT分析は、以下の三つに分けて実施するとスピーディに結果が出ます
1.攻めの戦略立案
 S(強み)とO(機会)の優性クロス分析から経営戦略を論理的に導き出す
2.守りのカイゼン活動
 W(弱み)は社員の現場の気づき。カイゼン提案活動を促す効果が期待できる
3.撤退の決断
 W(弱み)とT(脅威)の劣性クロスに該当するものは捨てるが勝ちのリスクマネジメント

SWOT分析にはマーケティングスキルが必要です。内部環境の強み、弱みの比較対象は外部環境にあります。外部環境と分析要素は以下の図で理解してください。
BSC(バランススコアカード)のフレームワークは、ヒト・モノ・カネの分け方にキャクを加えて、ヒト(人材)、モノ(業務)、カネ(財務)、キャク(顧客)で考察します。

SWOTマップ
外部環境は、身近な商圏や業界で把握するミクロ環境と、日本や海外の動きを捉えるマクロ環境に大別できます。マクロ対策は中小企業レベルでは難解なので傾向を把握しましょう。
ミクロ外部環境
・3Cは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の三角関係
・五つの力(5forces)は、既存競合、新規参入、代替品の脅威、買い手の圧力、売り手の圧力
マクロ外部環境
・PESTは、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)

これらをSWOTとBSCのフレームワークで整理すると、A4版一枚で俯瞰できるので、クロス分析による戦略案が浮上しやすくなります。以下が参考書式です。

BSC-SWOT分析表
上掲の二枚の資料を配布して、SWOT分析研修会を開いてください。外部環境の説明不足は精度を下げます。PESTに関しては上層で調べた結果を説明して下さい。順序は以下の通り。
1. 外部環境の機会と脅威を洗い出す。10分
2. 内部環境の強みと弱みを洗い出す。 10分
3. クロス分析の四つの戦略を説明してから戦略と成功要因を考える。20分

最初の説明、質問、20分。書込み書式の記入時間は40分。合計1時間で終了し、回収します。
それを経営戦略室で精査してください。始めはうまくいかないものです。再度、研修会を開いて、いい例、悪い例を引用し、指導してください。意識改革への道程です。

W(弱み)は、決してS(強み)にならない有能なリーダーは部下の「いいとこ探し」が上手です。「いいとこ」を伸ばして育てる。無能な上司は部下の悪いところばかり気になり、一々小言が出ます。この差は大きい。人は誰でも長所と短所を合わせ持っています。個性である短所を長所に変えられますか?

SWOT分析においても、やたらとW(弱み)のオンパレードになることがあります。この解決策に時間を使うと、会社は潰れます。弱みは短所、短所を一気に長所にできたら、世の中、常に平和です。弱みから→普通へ、普通から→強みへ。この3ステップはかなりハードルが高い。

弱みは一つずつ、カイゼンテーマとして提案制度を運用してください。トップが解決策を提示するのではなく、社員の気づきを促します。彼らの自発自立の心が芽生えないと、会社は変わりません。企業は現場力。SWOTのWは現場力で解決させることが上策です。

効果的で、やさしいSWOT分析については、長山塾で指導しています。
速攻SWOT分析指導書も用意しています。お気軽にご相談ください。
長山塾


生産性30%UPを可能にする極意
ABC分析は活性化の決め手、年に一度の棚卸しABC分析は、イタリアの経済学者の報告によるパレートの法則から導き出されました。
「大勢は少数の要因によって決定される」という経験則で、2:8の法則ともいわれ、例えば
「売上の80%は、上位顧客20%で占める」
「売れ筋商品2割で、全売上の8割を占める」

遠からず的を射ています。比率が3:7や1:9になることもありますが、少数の要因が大勢に影響する事実に注視する必要があります。この2:8の2区分を3区分にして、2:3:5にしてABCに3分類します。A=優性、B=普通、C=劣性に分けて対応を変える戦略手法です。

ABC分析

ある顧問先で営業改革を指導しました。「忙しい、時間がない、業績が上がらない」が口癖の営業部のテコ入れです。300社以上ある顧客を営業部員に振り分け、満遍なく客先訪問させていました。そこでABC分析です。売上、粗利率、支払条件、与信、将来性、占拠率でグラフ化。

総合的に評価してABCに分類し、以下のように重点対応させることにしました。
A分類 上位20% 松顧客 売上78% 粗利74% 毎朝電話伺い 週3回訪問営業
B分類 中位30% 竹顧客 売上17% 粗利20% 毎週電話伺い 週1回訪問営業
C分類 下位50% 梅顧客 売上05% 粗利06% 待ち受け体制 営業事務が月1回電話伺い

まずは営業の客先訪問時間をCカットで半減。AB顧客対応を増やし、占拠率10%アップの目標設定。新規顧客開拓の販売促進と人的営業に2割の時間を充てることにしました。新規顧客売上は昨年売上の10%を設定し、トータル昨対20%アップで、改革は1年で16%の成果でした。

ABC分析は、選択と集中戦略に有用なツール

顧客分析だけのツールではありません。製商品にも活用してください。売れ筋はA分類、戦略商品はB分類、定番品はC分類、最下位10%は死筋廃版候補のD分類にして精査します。切り捨て決断が業務をスリム化し不良在庫リスクを軽減します。

製造業の製品開発にもメスを入れました。営業要請をことごとく受け入れていたので、開発チームは窒息寸前、退職人材もしばしばでした。市場規模、難易性、開発期間でABC分析して、収益性の低いものはカットすると同時に受入成否フィルターをかますことにしました。
選択と集中戦略は、最初の切り捨て決断がムダを省き、功を奏します。


全社員を賢くするカンタン論理思考
BSC(バランススコアカード)は目からウロコの経営活性手法1990年に米国KPMGのノーランノートン研究所で、新たな業績評価システムの研究プロ
ジェクトが立ち上がりました。ハーバード大学のキャプラン教授と経営コンサルタントのノートン博士が研究成果をまとめ「ハーバード・ビジネス・レビュー」で発表したのが始まりです。

財務評価に偏った従来の業務管理手法を、顧客や人材など非財務評価を加えて多角的な指標でバランスを取る、現代経営に適合する管理手法です。私の経営指針、経営戦略は、すべてベースはバランススコアカード の4つの視点フレームワークで構成しています。

BSCの4つの視点で経営課題を解決するための、視点をつなぐ因果関係を考えてみましょう。下の表が端的に示しています。下から上に、why, because で成り立たせていきます。
なぜ、人材を育成するの?→技能アップで業務を活性化し生産性を高めたいから
なぜ、業務を活性化するの?→製品の品質を高め顧客満足度を高め顧客を創造したいから
なぜ、顧客を創造するの?→顧客を増やして売上高、収益性を高めたいから
確認の意味で、上から下へ、how to do が成り立つか試してください。

BSC4つの視点論理思考
上表の下半分は戦略発想の因果関係一例です。これをベースに戦略マップを作ります。

増収増益20%アップ戦略
戦略マップ 戦略策定も、長山塾でご指導します。
BSCをもっと知りたい方へ → BSC戦略経営の発想法




その他の経営戦略理論◆PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントボストンコンサルティンググループが1970年代に提唱したマネジメント手法です。製品のライフサイクルを、問題児、花形、金のなる木、負け犬の4つのフレームで立ち位置を確認する経営理論。当時のGE社が日本製品の乱入に対処するために活用したことでも知られています。

図表の縦軸は市場成長率、横軸は相対的市場占有率を引き、事業、製品、サービスなどが4つのフレームのどこに位置するかを確認し、ライフサイクルを考察します。下図は製品の経年予測を描いたものです。製品開発には欠かせないポートフォリオです。

PPM図表

PPMの参考資料としてロジャーズのS字カーブグラフを下に示します。
SカーブとPPM
S字カーブとPPMカーブの併用で、製品や事業のライフサイクルが見える化できます。


◆PMマトリクス戦略アメリカの経営学者アンゾフのマネジメント手法を、長山流に分かりやすくアレンジしたのが下図です。Product(製品)とMarket(市場)でPMマトリクスと名づけました。時間軸で0⇒1⇒2⇒3の順でフレーム戦略が展開できます。

PMマトリクス
0レベル(P=現在・M=現在)は、今すぐ実行する戦略
SWOT分析より即効性のあるABC分析で優性に集中し、顧客、製品、業務を洗い直して活性化を図る。目的は2割以上の収益性向上
1レベル(P=未来・M=現在)は、1年以内に展開する差別化戦略
現代は成熟期から衰退期にあり、競合との競争時代にある。製品の差別化で競争優位に立ち既存市場のシェアアップを図る。
2レベル(P=現在・M=未来)は、1年以内に展開する新市場開拓戦略
1レベルで製品の差別化を図った後に新規顧客を開拓する方が効果が望める
3レベル(P=未来・M=未来)は中期で練り上げるブルーオーシャン戦略
新たな成長戦略はニッチ市場の掘り起こし。価格決定権を持ち、他の追随を許さないオンリーワンを勝ち取る。根気と執念で開拓して欲しい

戦略は定石であり、順序があります。実力があれば飛び級レベルも可能ですが、足元の実力を計って一つずつ確実に実行するべきです。まずは定石を学び真似ることで成果を出してください。初めての戦略活動は、選択と集中戦略、差別化戦略をお試しください。

◆コトラーの競争地位とニッチャーフィリップ・コトラー(Philip Kotler)が提唱した4つのフレーム競争地位戦略論を紹介します。経営資源の質の高低を縦軸、量の大小を横軸に四分割すると、それぞれの企業の立ち位置がはっきりします。これにランチェスターの占拠率をはめ込むと、業界地図が見えてきます。
私なりに工夫して加工した競争地位戦略マップを紹介しましょう。

コトラーの競争地位

業界全体をコトラーの定義に押し込んでみると、大手が強者、トップリーダー・チャレンジャーの地位を占め、弱者中小企業は全てフォロアーに属すことになります。格差が確実に広がっている状況下では、中小企業は互いに模倣追随と価格競争が激化し、血みどろの戦いで合い果てる結果が待っています。この戦から逃れる道は、ニッチャーへの転身です。

ニッチャーの三つの戦略 1. 関所戦略   生産工程では不可欠だが、市場規模が極めて小さい関所の隙間部分
 2. 専門技術戦略 特許や特殊技術で囲い込み、高収益を実現する専門的な隙間市場
 3. 専門市場戦略 競争相手がいない、ミニマムにセグメントした未開拓市場

マイケルポーターの焦点絞込戦略焦点絞込戦略は、差別化戦略をより先鋭化させ、専門家やマニア向けなど、非常にセグメントされたミニマムな市場に特化し、その市場ドメインでナンバーワンシェアや収益性で価格決定権を維持できる競争戦略です。

ニッチ市場はあくまで隙間であり小規模市場です。欲張ると大手企業に狙われます。安易な技術やサービスの差別化では瞬時に真似される情報化時代です。強みの複合技や特技等でガードを固くしてライフサイクルを長く設定できる戦略を練って下さい。
ニッチ戦略はナンバーワンを狙うのではなく、オンリーワンになることです。
身の丈設定、速効で隙間の50%市場を獲得すれば、ブルーオーシャンが微笑みます。

ランチェスターの法則
イギリスで戦闘機の開発に携わっていたランチェスターが、敵味方、双方の戦闘機の数と戦闘の結果がもたらす被害について、性能差などの要因も含め提唱した法則です。 ふたつの基本法則で表したものを、経営戦略用に次のようにまとめられています。

 一騎打ちの法則  集中効果の法則
二者間の戦いにおいては、武器の性能が同じであれば、兵力の大きい方が勝つ 持っている武器の性能が同じである集団同士での戦いにおいては、被害は戦力の二乗比の差になる
 弱者の戦略 中小企業  強者の戦略 大企業
局地戦 ニッチ市場の発掘 広域戦 資金力で全国区展開
一騎打ち 弱いライバルと戦う 確立戦 下手な鉄砲も数撃ちゃ当る
接近戦 近隣のローラー作戦 遠隔戦 テレビCM、全国誌広告
一点集中 ピンポイント攻撃 総合戦 経営資源を総動員
陽動作戦 神出鬼没、ゲリラ戦 誘導作戦 有利な拠点におびき寄せる

弱者の鉄則は、強者の戦略に巻き込まれない、強者市場に入らないこと
中小企業の全てが弱者の戦略に当たります。弱者の戦略が目指すものはニッチ市場。市場を細分化して局地戦、地域戦場を探し弱い敵に一騎打ちを挑んで勝利します。武器も兵力も乏しいので効果的に一点集中で崩す。大手が入り込まないように陽動作戦で煙に巻く。強者の勢力下では汗水流して得られるものの少ないことを納得すべきです。過去の歴史が物語る。

強者に正面から立ち向かう馬鹿はいません。中小企業に全国ネットでテレビCMを流せる広告予
算はない。数撃てば当たる確率戦では軍資金が底をつく。大手の弱みはゲリラ戦。強者にできないことを見つけることが市場発掘のニッチにつながります。



◆マーケティングについて顧客が欲する、製商品、技術、サービスなどを創出し、その情報を効果的に伝え、顧客がその商品を質・量共に効率的に得られるようにするあらゆる活動をマーケティングといいます。いわゆる企業活動の根幹をなす「売上成長性」戦略要因です。

営業戦略はマーケティング戦略の中の一作戦に位置づけられます。マーケティングは、広告、宣伝、集客、販促活動と見なされやすい。しかし、本当の意味では
●商品・サービスなど、売物とする企画・開発・設計・ブランディング
●市場調査分析・価格設定・広告宣伝広報・販売促進・流通
●店舗施設設計・営業活動・集客接客・顧客情報管理
などの広範囲にわたり、マーケティングミックスの4Pや4Cの活動が行われています。

中小企業の市場規模は、身の丈を測ることが大切です。決して大手市場で戦わないこと。ランチェスターの弱者の法則に従うこと。大手市場の1/100以下で市場の細分化(セグメンテーション)を図り、大手の手が届かない戦略を立てることです。

マーケティングのカンタンな考え方は、三つのフレームワークで完成
1.何を(What) 製品、技術、サービス等、売り物を具体的に定義する
2.誰に(Who) アバウトに広義で捉えない。属性からターゲットを特定する
3.どのように(How) 販売促進企画の立案はマーケティングの要になる
この三つのフレームが具体的に定義されないと、行動に点火できません。この三つが未完成な状態で行動に移すと、ムダが多く、期待とは掛け離れた結果が待っています。

ST4Pマーケティング
製品開発や自社製品分析には欠かせない資料です。
SとTで顧客を特定し、市場規模を測ります。商圏や売上規模。
4Pで製品を定義します。顧客価値はあるか、競合より優れているか。

新製品開発で注意したいことは、ターゲットになる重要顧客の存在です。何もないところから出発すると大変なことになります。失敗確立が極端に高くなります。私たちは大企業ではありません。先行予算は限られています。購入顧客の存在を確認してからゴーさせましょう。

日本の市場規模を以下の表から測ってください。市場調査の基本です。
左軸はB2Bの業種別企業数
右軸はB2Cの属性別人口統計
中央のメッシュに地域別のセグメント市場規模を求めます
中小企業の場合は、市場規模の占有率を0.1%で事業が成り立つか検討してください
 目安として、セグメント数×客単価×リピート率×0.1%
日本動態表  

攻めない限り、持続成長はない!
マーケティングはリスクマネジメントには必須マーケティングスキルを高めれば、必ず成功するとは限りません。ビジネスは水モノ。ムダ金の失敗を最小限に止めたい。新たな企画は一勝九敗が普通。それを二勝八敗にするための策。
まずはST-4Pマーケティング企画書式を作ってください。

社員のアイデア提案制度に役立つ書式です。長山塾ではマーケティング指導書を無料で進呈しています。うまくいかない。お悩みの節は、何でも遠慮なくご連絡ください。
長山塾で対応させていただきます。
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