中小企業の経営戦略(経営計画)

経営戦略のキーワード

2:8の法則(パレートの法則)とABC分析




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組織内の問題解決には、2:8の法則による合理的な決断がスピードを加速させる。「大勢は少数の要因によって決定される」という経験則である。イタリアの経済学者の報告から、その名をとってパレートの法則とも言われる。

例えば「売上の80%は、上位顧客20%による」。「売れ筋商品2割で、全売上の8割を占める」。遠からず的を射ている。比率が3:7や1:9になることもあるが、少数の要因が大勢に影響する事実に注視する必要がある。

端的な営業例を挙げれば、顧客が100社あるとすると、毎日電話でソフトタッチする相手は上位20社に絞りアポをとってハードタッチする。あとの80社は、月一回の電話によるソフトタッチで、用件がなければ客待ち体制にする。こういう決め事を徹底させれば、ムダなアクセス時間や経費は激減する。できる営業は余った時間を新規顧客獲得に充てる。

社内に存在する多くの課題も、分析して優先順位を決めるべきである。10ある課題を一度に解決することは至難の業。優先上位2題の解決策を求めて実行に移す。それが達成できたら、次の課題を取り上げる。こういう手法が、中小企業にはベストの方策である。欲張ると、組織は機能せず、何の成果も生まれない。2:8の法則に徹したい。



2:8の法則をマーケティングに活用する例。
ABC分析はパーレート曲線を利用したもの。図で解説する。

ABC分析は重点分析ともいわれる商品管理手法でプライオリティに従い三分類に種分けして管理する。図のように顧客を売上順に並べてみると、上位2割の顧客で売上累積値が8割になるようなパレート曲線が描かれている。

上位から「守るべき顧客」を選んでA分類を線引きする。次に将来的に期待できない顧客を「攻めるに該当しない顧客」としてC分類を線引きする。その間はB分類になる。新規顧客もB分類に入れる。ここの顧客は、売上・粗利・占拠率を分析しながら、Aに昇格させるか、Cに格下げする。

売上の少ないロングテールは恐竜の尻尾といわれる。トカゲの尻尾切りには分析が必要な時代。占拠率が低ければ、責める手を考えたい。

A分類
商品管理では欠品させてはならない売れ筋です。顧客であるなら、常に満足度を高めて更なる信頼を勝ち取り、売上を伸ばす努力をすると、BCも連動して上がるもの。21世紀型マーケティング戦略では、ニーズを優先し、ウオンツを求めるときにシーズを機能させる。この対象となる存在がA分類。情報収集を怠らないことである。
●ニーズ
社会的個人的な欠乏欲求の状態であり潜在ニーズの掘り起こしが重要。
●ウオンツ
潜在ニーズを掘り起こし現在未来にかけて具体化するモノやサービス。
●シーズ
ウオンツを求めるための技術、材料、アイデアなど。

B分類
この分類が戦略的に最も重要である。将来、A分類にランクアップするか採算性からC分類に落とすか、決断を強いられる分類。新規獲得顧客や新商品の挿入対象分類であり、入れ替えの激しい分類にすべき戦略の注ぎ場所。この分類の活性化こそ、攻めの戦略の真価が問われる。毎月の分析管理にチャンスが芽生えることを期待したい。

C分類
死に筋とばかりバッタバッタ切り捨てると客足は遠退く。全体の商品構成、品揃えのバランス感が求めらる。ロングテールは多様化・個性化のニッチ市場といえる。商品では実店舗陳列からネットショップ展開に移して成功する例もある。



ABC分析で
業務の3割活性化

◆経営指標で人材の過不足を分析する
 一人当たり年間売上高と付加価値額。労働分配率。業界標準との格差

◆すべての業務を洗い出して部門ごとに整理する
 部門を越えた同じ仕事はどちらかに移管する
 C分類の不要な仕事は抹殺する

◆業務を時間軸でABC分類する
 
毎日業務→A分類。毎週業務→B分類。毎月業務→C分類。
 毎月まとめて1回やれば済む業務を毎日やっていないか。
 毎週1回チェックすれば済む仕事を毎日やっていないか。
 節度なく資料を配布していないか。節度なくファイリングしていないか。
 節度なく会議を開いていないか。



◆全体業務フローを作って見える化する
 
業務の流れを入口から出口まで描いて見える化する。
 セクション毎のリードタイムに遅れはないか、問題は何か。

◆営業部
 毎月の顧客訪問数、成約率、売上高、資金回収で個人別ABC分析
 A人材の行動パターンを整理マニュアル化して共通認識とする
 不要行動パターンの排除

◆管理部(総務・人事・経理など)
 業務の洗い出し、作成資料の洗い出し、保管資料の洗い出し
 配布資料の洗い出し、伝達資料の洗い出し
 節度があるか、必要か不要か。紙保存か、データ保存か、廃棄処分か。

◆製造部
 ミス・ロス・ムダの洗い出し。問題点カイゼン提案制度
 現場主義でヒアリング重視。PDCA循環を四半期で一巡し成果確認

◆工務部(購買・資材・配送など)
 変動費を細かくABC分析する
 材料の洗い出し、外注先の洗い出し、設備の洗い出し、労務費の洗い出し
 在庫の洗い出し、製品別リードタイム

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