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守りに入ると衰退する。経営の一般常識
攻めを忘れた経営は、外注仕入費や経費の削減に没頭し、収益性だけを追求するようになる。外注仕入先は、値下圧力により協力関係が希薄になる。経費の削減は、広告宣伝費の圧縮で知らないうちに売上に影響する。福利厚生費や研修費の削減は、人材のモチベーションを下げる。人件費の削減は、人材の新陳代謝が進まず高齢化して生産性が落ちる。気がつけば、売上が落ちている。売上が下降線をたどる企業に未来はない。中高年経営者で経営計画活動をしていない企業の実態である。

製品のライフサイクル同様、ビジネスにも寿命がある。一般的には上図のように創業期→成長期→成熟期→衰退期を経て消滅する。時流に合った新たな製品やビジネスモデルを創出しない限り、必ず消滅する。20世紀の企業寿命は平均20年。今後のグローバル化を考えると10年時代がやってくる。20年時代と異なり、成長期が短くなる分、収益の山が低くなるので経営は益々難しくなる。
満足した時点から下降線をたどる
起業家の指導に当るときは、経営計画を立てて3年後目標を設定させる。
1.単年度黒字化達成
2.社長月額報酬100万円達成
3.雇用人材を組織人財として育てる
これはあくまで3年後目標である。ほとんどの企業は10人程度の規模で足踏み状態になる。原因は起業家社長のワンマン化。確かに社長より優れた社員はいないので、すべてをトップダウンで指示する。効率はいいが、組織は社長以下が全員フラットな組織になり、名ばかりの管理者は責任の分担もなくマネジメント能力も育めない。結果として社長独りが管理者なので、社長能力の限界規模で停滞する。
社長報酬月額100万円。従業員総数10人。売上高1億円。小規模企業の平均値に落ち着くと「まあ、いいか」で満足する経営者が多い。誠に危険な考え方であり、ここが頂点で、ここから下降線をたどることに気づかない。
人育ての幻想が、企業成長の壁に阻まれる
日本の企業は10人規模程度に集中している。この程度なら人を育てなくても、指示命令だけで経営が成り立つから、トップとしてはやりやすい。自分の思い通りに動かせる。こういう会社に組織は育たない。本当の意味では人材も育っていない。社長の指揮命令だけで動く社員を人財とは言わない。社長の人育ては幻想であり、実際には財となる人を育てていない。一般的に言えば、組織とはピラミッドを構成するように、成長と共に幾層にも三角形を積上げていく。頂点に社長が君臨し、各階層の要に管理者を配置する。社長の人育てとは、管理者人材である。管理者が育たない限り、社長独りのキャパ以上の企業規模にはなり得ない。社長の身の丈規模で成長が止まると、後は老化の一途をたどる。管理者不在の組織は自律自発機能はない。社長パワーが失速すると、組織が重荷となって崩壊する。
管理者を育てない会社は長生きできない
戦略塾や研修では、現在とビジョンの組織図を描いていただく。ピラミッドの各層を管理する人材が、要役の責任を果たせるか否かに焦点を合わせる。要となる管理者の資質で、経営効率は天と地ほど差が出る。100人規模の企業には、いないほうが生産性の上がる不適格管理者がいる。メクラ判の承認印のために1日のリードタイムを損失する組織は、現代経営の流通中抜きと同じく、抹殺ショートカットの決断が正しい。社長は組織の成長に合わせて管理者を育てなければならない。成長経営を望む社長の最大の仕事は管理者育成である。管理者が樹木の枝を延ばし、リーダーシップをとって緑豊かな葉を繁らせる。日本の樹木を代表するヒノキのように、風雪に耐えながら何百年も幹を太らせ成長し続けることが経営である。
経営とは、右上り目標の経営計画を実行すること
経営計画を立て、行動を目標管理する。これを怠る企業は長生きできない。近未来的には、計画行動不在企業の寿命は5年と持たない。前述のライフサイクル図で見られるように、策がなければ衰退する。3年サイクルで新たな戦略を投入する経営計画を立て、拡大経営を図らない限り右上りは望めない。
経営とは、始めたときから計画的に組織を拡大する。拡大の要に育てた人材を配して更に大きくする。組織の集合知で機能・品質アップ、生産性の向上、納期短縮、新製品・新事業の創出など、連続的に経営品質を高め、経営資源の規模を大きくしなければならない。
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