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やさしい経営戦略論
経営戦略体系とPMマトリクス戦略
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◆経営戦略とは
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1990年のバブル崩壊前には、戦略という言葉は耳にしなかったと言ってもいい。高度成長の最盛期であり、戦略発想がなくても作れば売れた。努力すれば儲かった時代である。日経平均株価は4万円を越える勢いだったが、崩壊と空白の20年を経過して、今は1万円を割っている。
上表が示すように、2000年になって需要と供給のバランスが逆転し始め、日本経済は成熟期から衰退期を迎えている。グローバル化による新興国の台頭、人口減少に加え、リーマンショック、東北大震災、ユーロ危機、超円高と試練は続く。
この空白の20年の間に、経営戦略が育ってきた。以前は毎年2割り増しの経営計画を立てれば実現できた。しかし今は夢物語である。市場の充足感と競合の乱立で過酷な競争時代に突入している。価格競争だけでは先がない。
競合との競争に勝つために、経営戦略が導入されている。戦略、戦術、作戦行動は生き死にの問題である。戦争状態にあることを認識し、勝ち残るためにも経営戦略スキルを高め、全社一丸となって統率の取れた戦いに挑んでほしい。
経営戦略とは、企業を持続成長させる智恵の戦勝手法である。
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◆経営戦略体系
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戦略戦術論はここでは控える。戦略は大局であり、戦術は従属的な小局と定義する。下表の体系では、業務戦略(機能戦略)は戦術とも捉えることができる。人材の少ない中小企業では、戦略、戦術の同時進行は難しい。機能戦略をひとつずつ、こなしていくことをオススメする。二兎追うものは一兎をも得ずの例えである。
| 戦略体系 |
基本戦略 |
機能別 |
備考 |
| 1.企業戦略→ |
全社戦略 |
「選択と集中」への意識改革と行動改革 |
| 2.部門戦略→ |
事業戦略 |
「競争と撤退」の経営環境分析による意思決定 |
| 3.業務戦略→ |
機能戦略→ |
組織戦略
財務戦略
営業戦略
生産戦略
開発戦略
マーケ戦略
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司令塔の経営戦略室リーダーシップ
経営安定性を維持する収益性の向上
経営成長性を求める新規顧客の創造
競合との差別化を図る品質改善活動
新市場・新製品開発への中長期戦略
マーケティング活動は組織横断戦略
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1.企業戦略(全社戦略)
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全社戦略は企業活動の統一性を図るベクトル合せ。全組織の目標を一点に集束するトップの意思決定である。縮小傾向にある経済環境では、「選択と集中戦略」が最も多く導入されている。中小企業は身の丈経営で強みに集中深耕すべき。
| 戦略ドメイン |
| What |
何を |
製品、サービスなど、戦略対象の特定 |
| Who |
誰に |
顧客、市場の細分化(セグメント) |
| How |
どのように |
差別化、ビジネスモデル化等の競争優位を図る |
※市場規模を測るためには、How muchも考慮したい。
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2.部門戦略(事業戦略)
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事業の多角化による採算悪化は、決断が遅れると命取りになる。事業戦略は、事業部門毎の「競争継続or撤退」の二者択一になる。売上の見栄を取るよりトータルな収益性を取る減収増益戦略が当面の解決策になっている。
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3.業務戦略(機能戦略)
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1.2.を大局の戦略と位置づければ、3.は小局の具体的な戦術になる。人材が不足する中小企業では、これらを並行して行動に移すと混乱を来たす恐れがあるので、戦略に格上げしてひとつずつ成果を確認したい。
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A.組織戦略
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どんなに優れた戦略・戦術・作戦も、規律正しい組織体制が整備されていなければ効果的な行動や成果は望めない。命令の一元性と現場レスポンスの正確迅速なホウレンソウ体制を確立する。経営戦略室、経営戦略会議の設置が望ましい。
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B.財務戦略
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究極は営業利益(営業利益率)ひとつだけに数値目標を絞る。これを達成すれば、すべての経営指標が満たされる仕組みにする。売上高・変動費(製造コスト)・固定費(経費)のバランス戦略の成果として、営業利益を確保する。
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C.営業戦略
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業界が成熟期、衰退期にある場合は最優先にすべき戦略。国内は全般に市場のマス取り競争時代にある。営業力の弱い企業に勝ち目はない。営業主導による組織横断的な体制を構築し、既存顧客の占拠率向上、新規顧客開拓などを目標とする。
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D.生産戦略
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円高、デフレ環境では、製品の価格、機能、品質、納期などが問題になる。競合を抑える差別化を課題として、その解決策で戦略を立てる。インプットからアウトプットまでのトータルリードタイム短縮を、業務フローチャートから割り出す。
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E.開発戦略
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今後の展開としては、ニッチャー戦略に絞り込みたい。グローバル化による変化の時代には、新たな隙間が随所にできるはず。競合のいない市場の創造に常日頃からアイデアを巡らせたい。全社的なニッチホールコンテスト制度を設けたい。
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F.マーケティング戦略
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縦割り組織では、マーケティング戦略が機能しない。組織横断的なプロジェクト型の戦略会議を設置する。営業、販促企画、研究開発、生産技術などのスタッフで構成し、3ヶ月で戦略計画を立て、半期で現場に移管して終了させるスピード感。
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PMマトリクス戦略
四つの基本戦略から選択する
最もカンタンな戦略導入手法
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最も分かりやすく導入しやすい戦略理論である。どんな戦略も四つのフレームに当てはめることができる。今直ぐやること、短期、中期でやることを明確にする。
| PMマトリクス戦略 |
P(Product) 製品・サービス |
| 現在 |
未来 |
M(Market)
市場・顧客 |
現在 |
0.収益カイゼン戦略 |
1.製品差別化戦略 |
| 未来 |
2.新規顧客獲得戦略 |
3.新市場ニッチ戦略 |
◆PMマトリクス・四つの基本戦略フロー
四つの基本戦略プロセスは
0⇒1⇒2⇒3ステップ
◆0ステップ
財務戦略【収益カイゼン戦略】
損益分岐点を上回る費用の徹底削減とトータルリードタイム短縮
◆1ステップ
製品戦略【製品差別化戦略】
品質・コスト・納期向上により既存顧客のシェアアップを図る
◆2ステップ
顧客戦略【新規顧客開拓戦略】
STPマーケティング作戦により効率的効果的な販路拡大を図る
◆3ステップ
新市場戦略【ニッチ創出戦略】
0⇒1⇒2ステップの繰り返しから新市場ニッチアイデアを創出する。1勝99敗を良しとする執念が成功の道を切り拓く。
常に五つ以上のアイデアを持って機会をうかがう。
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戦略を絵に描く経営コンサルタント 長山 伸作
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