社員が理解できる成果指標とは

社員の理解納得で計画は行動に点火
企業において、実際に売上や利益を創るのは現場社員です。社員にも分かりやすい経営手法であるべきですが、現実の経営計画指標は難解です。現場の理解が収益アップへの行動を促す早道です。社員が理解でき、納得する経営計画成果指標を提示することです。

分からない言葉があると理解の回路は遮断されるよくあることですが、客先でプレゼンするときに、耳慣れないカタカナ語や簡略英語を並べると嫌われます。相手が無知の時は軽蔑に値する言葉になります。知ったか振りのプレゼンは鼻持ちならない印象しか与えず、せっかくのチャンスである商談を台無しにします。

書物を読んでいても経験することです。読み途中で難解な文章に出合うと、気になって次に移ることができず、一度中断すると、魅力がなくなり、二度と見なく葬り去られます。企画書、提案書、報告書でも、注意することは、誰にでも理解できる文章を書くことです。

最も嫌われる書類とは、分厚い資料、理解に時間を要する資料です。支離滅裂で構成を考えない文章の羅列や、断定できない抽象論展開は時間のムダです。そういう資料に向かう人の気持ちを考えたいものです。興味が湧かない、理解したくならない資料は無用の長物です。

社員に理解不能な財務指標の羅列総資本当期純利益率、総資本回転率、流動比率、自己資本比率など、一般社員には縁遠い指標を並べると、それ以上の理解は遮断され、難解な経営計画と評価して敬遠されます。財務指標だけに偏った「それで、どうすればいいの?」の疑問しか湧かない計画は共感を得られません。

B/S(貸借対照表)に関する指標は、経営陣の理解と責任です。一般社員には無用です。
P/L(損益計算書)に関する指標は、全社員の理解と責任です。
もっと簡略化すれば、社員に理解させたい指標は、売上高、売上総利益率、営業利益率です。

営業利益は本業の利益であり、業務活動の分かりやすい成績表です。
営業外損益や特別損益に依存する経常利益は理解しづらいので、一般社員には不要指標です。
一般社員用の経営計画目標と、経営陣用の経営計画目標は、分けて作ることが大切です。

バランススコアカードの成果指標は論理指標である経営計画成果指標

上の表は重要な指標で簡略化した経営計画です。バランススコアカードの四つの視点で三つずつの重要指標でフレームを仕切り、視点間の因果関係で論理的に評価できます。

経営計画の目的は、財務の視点で収益性を向上させることです。
財務の視点で評価することはたった三つです。
 なぜ、売上高は上がったか、下がったか
 なぜ、売上総利益が増えたか、減ったか
 なぜ、営業利益が増えたか、減ったか

その要因は、顧客指標、業務指標、人材指標に表れているはずです。
各視点の最重要指標の設定から、相互の四則演算で効果的に分析できます。
何が良くて何が悪いか。成果と問題を見える化することで、カイゼン活動が働きます。

上表の最終成果は、時間当り付加価値額に表されています。
売上総利益額÷総就業時間=時間当り付加価値額であり、真実の企業の実力を表します。
売上総利益額を高める工夫と労働時間を短縮する工夫が経営資源を健全に高めます。

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