立ち位置を確認し方策を考察する経営指針鳥瞰図

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経営指針鳥瞰図で事業の全貌を見渡す
経営者にとっては、経営は人生そのものかも知れません。しかし、生涯現役の思いとは裏腹に次世代を担う幹部が育たず、終焉を迎えるリスクも考えられます。経営者の一生を見渡し、その中で経営のプロセスを考えたいものです。そのために経営指針鳥瞰図を作ってみました。

あなたは、どこに立っていますか?経営指針鳥瞰図 ↑画像クリック拡大表示

一般的に経営指針は、理念、方針、計画の三部作で成り立っていますが、私的には、経営理念は抽象論なので、中期ビジョンを設定して具体化しています。方針は事業分析で導かれる具体的な戦略方針を充てています。経営計画は単年度を重視して、行動計画を目標管理します。

立ち位置を確認する経営進化のプロセス経営はすべからく、創業期、成長期、成熟期、衰退期を経過して終末を迎えます。終末を逃れる永続への手立ては、衰退期に入る前にイノベーションに挑戦することです。経営指針鳥瞰図を見て、自社の立ち位置を確認し、何を成すべきかを考察して下さい。

1.事業確認 ドメインの再定義(顧客軸・機能軸・技術軸)
      商圏、取扱い製商品、業種、技術、サービスなどの事業範囲を定義する

2.規模設定 経営者の目的意識確認(身の丈保守志向or野心的拡大志向)
      最終目的である企業規模を設定しておかないと、目標活動が曖昧になる

3.計画目標 経営計画の策定(現実対処の単年度計画or未来市場創出の中期計画)
      野心的な市場創出がない限り、数値羅列の中期計画より単年度計画を重視

4.実力確認 経営資源の分析(BSC分析・ABC現状分析・SWОT未来分析)
      期待値の経営計画が具現可能か、自社実力の分析を疎かにしてはならない

5.組織構築 組織化への指針(自利利他の理念経営・三つの哲学の理解と共有)
      組織活動の活性化は、良好な人間関係のチームワークの上に成り立つ

6.戦略立案 経営計画の具現化(攻めの競合競争戦略or守りの選択と集中戦略)
      計画を成功に導く戦略は、企業の生き死にに関わる重要な施策である認識

7.作戦行動 知行合一の風土化(アクションプランの作成と問題解決目標管理)
      戦略は経営陣の知恵、作戦は現場従業員の行動。作戦、行動、管理の徹底

8.変革挑戦 イノベーション(現在否定意識改革と新事業マーケティング戦略)
      現在進行戦略と未来創造戦略は並行して進めなければ時機を逸する

9.論理思考 全社戦略マップ(バランススコアカードの四つの視点で見える化)
      基本とする定石戦略は弱みを捨て強みに集中する「収益性向上の選択と集中」

10.企業家精神のエンドのカタチとは。理想は企業の継承による永続発展である
      事業継承、廃業、譲渡。三者択一の後に自己実現の人生が開かれている

立派な企業を育て上げる成功確率は1割下のグラフを見て下さい。一般的には20人以上の組織企業にならないと、安定した収益は確保できません。人材規模に反比例してコスト比率は下がり、比例して収益率が上がる方程式が財務の鉄則です。トップの年俸にゆとりがない企業は成功領域には届いていません。
経営の成功確率10%

過去、現在、未来の事業分析事業分析 ↑画像クリック拡大表示

トップの能力が高いのは当たり前。トップに比べれば、社員能力が低いのも当たり前。自社実力を考察すると愚痴が出るのも当たり前。必用なことは、どこに問題点があるかを発見して解決策を求め、どの数値まで高めるかを具体化すること。分析をスタートとするステップアップ。

「強みは?」の問いに「何もない」と応える人は多い。事業が継続されている限り、何らかの強みがあるはずです。ABC分析で上位にランクされるものが「強み」と仮定すれば、今、やることが見えてきます。上位は強みであり、優性です。優性に集中することが賢者の戦略。

収益性向上を使命とするバランススコアカード戦略マップ戦略マップ ↑画像クリック拡大表示

経営の目的は理念に向けた持続成長ですが、企業の目的は最大利潤の追求です。民間企業である限り営利企業であることを悟り、正々堂々、公正明大に収益性向上に誠心誠意努力することが、仕事哲学の真髄です。競争時代に勝利するハードワークは生きるための必然です。

経営者は、三つの哲学で一生を設計する三つの哲学

1.仕事哲学(経営戦略/ビジョンとハードワーク)目的は最大利潤の追求
2.経営哲学(経営理念/社会的責任と貢献)目的は信念による理想像の追求
3.人生哲学 (自己実現/ライフワークバランス)目的は幸福の追求

衣食足りて礼節を知る仕事哲学の基本は儲けることです。だから起業する人の最初の目標は黒字化であり、黒字を持続できる経営の仕組を完成させることです。儲けることの自信が「衣食足りて礼節を知る」ことになります。衣食の生活に余裕ができて初めて礼節を考えるゆとりが生まれます。

利益も出ない体質で経営哲学の理想論を追求する愚かさを戒めることです。まずは仕事哲学に集中し、成果を確信したら、持続成長のための組織を構築するために経営哲学に着手して下さい。理念とは、社会責任とは何かを深耕して下さい。経営哲学はカネ食い虫を知ることです。

利益が蓄積されて初めて「自利利他」の心が理解できます。自利のゆとりを利他として分け与える精神は宗教学に著わされています。まずは己を磨き、解脱できたら、他者に悟りを説く。自利利他の考え方が健全な人間関係を構築します。経営哲学の目的は永続成長です。

最近マスコミに取り上げられるブラック企業は、社員満足を無視した経営スタイルです。経営者にも社員にも人権があります。人間らしく幸せに生きる権利。働く人個々のライフワークバランスを考える人生哲学は画一的なものでなく、百人百様のライフスタイルの理解です。

この三つの哲学をフレームワークで深耕し、共有し、経営の最適化を図るべきでしょう。
仕事哲学を忘れ、経営哲学、人生哲学に傾注すると、利潤の追求が疎かになって危険を招く。
組織を成さない小規模企業が身の丈以上の経営哲学を構築すると窒息する例もあります。

経営者の最終使命は事業継承にあり事業継承したら、その後、何をすればいいか不安です。という理由で事業継承が遅れ、時機を逸することは避けたい。経営=人生と考える哲学思想が、経営者には多いと思います。もっと広い世界を楽しんでいただきたい。多忙な経営で出来なかったことをやりましょう。社会貢献事業を第二創業しましょう。趣味の人生に徹してみましょう。奥さまに罪滅ぼししましょう。

私は事業継承後の第二創業を楽しんでいます。社員を育てる苦労のない個人業。顧問先に喜ばれる経営コンサルタントはやりがいのある仕事です。これならボケ防止でボケるまで生涯現役で続けられます。わがままに、ヒアリングして気に入った企業しか引き受けません。

顧問先の社長さんたちは、私のような生涯現役第二創業を望む人が多いのも事実です。
BSC経営塾では、やりがいのある経営、幸せな人生など、語り合う場でもあります。

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