錫杖ヶ岳の晩秋 デジカメ山野草トレッキング
錫杖ヶ岳 鈴鹿
しゃくじょうがたけ 676m

東名阪国道から見る錫杖ヶ岳

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朝の展望

山頂から/安濃ダムと摺鉢山・朝日のある風景。柚之木峠上部稜線から/経ヶ峰の山並み

朝の森に白い輝跡

射し込む朝日・マツカゼソウ・ヨメナ


アキチョウジ・ヤブコウジ・ハダカホオズキ。 Chieさん、アドバイスありがとう。


山名 錫杖ヶ岳
標高 676m
所在地 鈴鹿
登山日 2004年11月07日
天気 晴れ
メンバー 夫婦
コースタイム
05:45 登山口駐車場
06:15 柚之木峠/06:25
07:15 錫杖ヶ岳/08:00
08:35 柚之木峠/08:50
09:25 登山口駐車場

風邪と業務多忙で疲れ気味。この週末は自宅休養と決め込んでいたが、珍しく安定した秋の天気。土曜は我慢できたが日曜もとなると限界。夜遅く帰宅した娘の言葉にプッツン。「こんなに天気がいいのに、どこにも出かけなかったの?」

奥チャマが起きてくれない!!
やっとのことで起こし、準備させて車に乗ったのが四時半を回っていた.名古屋高速経由東名阪・向井ICを下り、暗闇の林道を南下して登山口駐車場に着く。我が妻曰く。「気味が悪いから明るくなるまで待ちましょ」。
何のために早く来たかまだ理解していないようである。出遅れたため山頂に着く頃には、朝日は地平線を離れ、天空に輝いていることだろう。
続けて妻曰く。「熊、出ない?」。私は持参したホイッスルを暗闇の中に響かせ、「もう大丈夫、さあ出かけよう」。なぜ私は妻を連れ出すのか、フッと考えてみた。理由はいろいろあるが、暗闇の独り歩きはやっぱり気味が悪い。

沢沿いの登山道は整備されていて、ヘッドライトに浮かび上がるルートは判別しやすい。緩やかな登り道は沢を木橋で右へ左へ渡り返しながらたどる。せせらぎの音だけが静寂に響く。妻が不安がるので、ときどきホイッスルを吹く。怖さ知らずで大胆だった妻が、最近はおかしい。熊報道が多すぎることが原因のようである。「この山域には熊はいない」と言い切っても、私を信用してくれない。だから。ときどきホイッスルを吹く。疲れることもなく、あっけなく柚之木峠に着いた。

回りは明るく経ヶ峰が望まれる。ここで軽くサンドイッチで朝食をとり、先を急ぐことにする。ここからは稜線を忠実にたどる。杉林と自然林の混在する尾根道は変化があって心地よいアップダウンを繰り返す。二つの小ピークに親切な巻き道が作られているが、数十mほどで合流する。小広い平坦な樹林の道を20mほど歩くと、急に勾配のきつそうな斜面に遮られる。ロープが垂れ下がっている。ここからが最後の登りになる。岩場が連続するが、ロープ、鎖でしっかりサポートされている。私は岩登りを楽しみながら登る。山靴のフリクションは確実で、岩に馴染んでいる。左の五十肩が言うことを聞いてくれないが、気分のいい登山路である。妻はロープを掴んでグイグイ登ってくる。彼女を初めて誘った山は宝剣岳だったが、怖がらずスイスイ付いてきた事が思い出される。彼女は岩場が楽しいようである。

あっけなく錫杖ヶ岳の山頂に出た。太陽は地平線から10度は上がっているが、早速カメラを取り出して東に照準を合わせ、シャッターを切る。感動する眺めを素直にカメラに封印する。太陽の下に伊勢湾の海が輝き、摺鉢山のスカイラインを分けて安濃ダムの湖面がアクセントになっている。山並みが模糊として悠久の自然を物語っているようだ。自然に中にいる自分が幸福を感じる時間を大切にしたい。
握り飯にお茶。定番の食事がおいしい。小一時間の山頂タイムは誰にも邪魔されることなく過ぎた。下山はゆっくり写真を撮りながら下りよう。


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