6月中旬下旬
栂池自然園
No.002



難度 やさしい
歩程 周回4時間
場所 白馬方面・小谷村・栂池
   長野県
アクセス 長野道豊科インター・国道148号北上信濃森上経由
駐車場/ゴンドラ山麓駅・栂の森中間駅

ミズバショウ・リュウキンカ・シラネアオイ・サンカヨウ・タカネザクラ・ヒメイチゲ

ミツバオウレン・キヌガサソウ・ピンクのミヤマカタバミ・ヒロハユキザサ・イワナシ・ベニバナイチゴ


● 野山の花は愛でるもの けっして摘まないで下さい ●
必ず板道の上を歩いて下さい。ロープ柵を越えないで下さい。
外来種の侵入は栂池の植生を破壊しかねません。入園時は靴底をしっかり拭って下さい。



山麓から望む栂池高原と白馬連山


ミズバショウ湿原
【栂池自然園】初夏の適期 6月中旬〜下旬

山野草愛好家なら必ず訪れる栂池は、雪解けと共に顔を出す白い妖精、ミズバショウが花の季節の始まりです。標高1900m、地理的にも日本海に近い北に位置するため、春と初夏の花が一度に咲き競います。亜高山帯植物の宝庫ともいえますが、植生は一週間単位で変化します。毎週訪ねることは不可能なので、観察の適期を二回に分けるとするなら、6月中下旬と7月中下旬でしょう。6月は上に紹介した野草が見られます。7月はタテヤマリンドウ、ワタスゲ、イワショウブ、イワイチョウなどが代表格でしょう。参考サイト。出かける前に栂池自然園の最新情報を見ておくべきです。

ゴンドラ・イブ駐車場や乗り場が混雑しているときは、ナイショ情報、ゴンドラ中間駅まで車で上がるのも一つの手。ここまでは林道が開放されています。今後どうなるかは不明ですが、2005年までは駐車場無料でした。野草観察が趣味と言う方には、ロープウエイに乗り換える栂の森から注意して下さい。亜高山のなかでも低い山域に見られるマイヅルソウ、ミツバオウレン、ミヤマカタバミ、ムラサキヤシオなどが、左手の散策道に咲いています。帰路に時間の余裕があるときは、オススメの小径です。栂池自然園より一足早いミズバショウが咲く場所でもあります。

一般的に亜高山の野草を愛でる時期は、中部山地では梅雨に当たるため、雨具の装備を万全にしたいことと、防寒対策にも配慮して下さい。花の撮影と観察には思わず時間がかかるものです。周回4時間ですが、最低6時間は必要でしょう。僕はフル一日かけます。




7月のワタスゲ湿原

ビジターセンターで花情報を確認してから入園します。まずは右のミズバショウ湿原に足を向けて下さい。小橋の下を流れる雪解けのせせらぎに、ミズバショウが白い影を揺らしています。絵になる風情。この先にはミズバショウが湿原を埋め尽くし、その背景に白馬三山がまだまだ雪をまとっています。カメラマンの三脚放列が続きます。その後側でサンカヨウがクスクス笑っています。ちらほら目につく黄色が、いっせいに賑やかになるリュウキンカの群落は目に痛いほど見事に輝いています。ワタスゲ湿原に進まず、左に折れて東側の板道を歩いてみましょう。タカネザクラやシラネアオイが待っています。気の早いキヌガサソウが、大きな白花で存在を誇示しているよう。小さなヒメイチゲが愛らしく、オオバミゾホオズキも顔を覗かせています。風穴を過ぎて楠川を渡ると残雪が多くなり、まだまだ春は遠い風景に変わります。

ミズバショウの咲き始めは、ほかの植物に会うことは難しく、残雪も多い。楠川より奥は、残雪が豊富で植物は雪の下です。ミズバショウの満開または少し遅がけに出かければ、上に掲げたたくさんの野草と会うことが可能です。展望湿原まで花に被われる時期は7月になってからです。梅雨の長雨が湿原を洗い、それと共に野草が順次目覚めます。亜高山帯の全域に野草が花咲かせる時期は、海の日を境にしているようです。僕は常に梅雨明け10日までを狙っています。夏の一日は来園者が多く混雑するので、山麓の宿で前泊し、朝一番でゴンドラに乗ることをオススメします。



参考サイト
栂池自然園 小谷村サイト
僕の記録
●2005年6月26日 初夏の栂池自然園
●2004年7月30日 栂池自然園
●2003年7月26日 栂池自然園から白馬大池
左写真/ワタスゲ湿原

7月中旬、下旬の野草一例紹介。

タテヤマリンドウ・イブキトラノオ・オニシオガマ・イワショウブ・オオバタケシマラン


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